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LAVENDER RING-がんと闘う人たちの笑顔を撮るー

2018.02.06

「LAVENDER RING」は、がんになっても笑顔で生活できる社会の実現を目指して、様ざまな活動を有志によって運営するプロジェクトです。資生堂は、このプロジェクトに参加しています。

がんに関する正しい知識を広め、予防を呼びかける日と定められた「世界がんデー」である2月4日(日)、Yahoo本社のオープンコラボレーションスペースLODGで「LAVENDER RING DAY 2018」が開催されました。トーク、ワークショップ、Make up & photoなどのイベントが行われました。

資生堂は、このMake up & photoに「化粧のちから」でサポート。ヘア・メイクは、プロの美容技術者たち。そしてフォトグラファーは、資生堂の多くの広告に携わる金澤正人。今回このイベントで撮影されたサバイバー(がんと闘う人たちの総称)たちの写真とともに、金澤正人が、ファインダー越しにとらえたイキイキとした姿から気付いたことを語ります。

サバイバー(がんと闘う人たち)を撮って思うこと

がんという病と闘いながら、社会から受けるがん患者であることへの誤解や偏見を、多くのひとに自らの写真を発表することで知ってもらいたいという方々を、2月4日の世界がんデーに撮影させてもらった。
そもそもは昨年8月、キャンサーフォーラムでの同様のアクションに賛同し、70名のサバイバーを撮影したことから始まったことだ。ボランティアということから最も遠いところに自分は存在していると思っていたから、まさか今回も撮影しているとは!と、過去の自分が見たら信じられないかもしれない。

よく、ボランティアを自身の満足感のために行うとおっしゃるかたがいる。それも正しいこと。
私の場合、そういった満足感などではなく、むしろ社会の一員として存在している自分自身に与えられた義務のようなものだと感じ、参加している。なにかしら自分自身の社会的な役割を果たすとき、もちろん普段の仕事でもきちんと果たしているとは思ってはいるが、もっともっと何か社会貢献に役立つことをしなければならないのだと、どこか上のほうからの啓示を受けているような気がしている。しかも、私がすることがとても意味をなすことで。

そんな感じで「写真を撮影する」ということが私に与えられた使命であり、仕事以外でも写真を通して社会への発信をすることが、自分の役割でもあるのかと思うようになった。

今回、19組の方々を撮影した。それぞれ、大きな思いを抱えての参加であったと思う。いつもとは違うプロによるメイクをされた表情はとても嬉しそうだ。ただ、いざカメラの前に立つと普段経験をしたことのない環境にとても緊張されている。

写真の目的は、それを見た方がサバイバーの前向きな表情から偏見と誤解を拭い去ること。また、サバイバー自身のこれからの活動の応援になることだ。

だからこそ、被写体の方々から最高の表情を引き出すために、エンターテイメントの雰囲気作りを行った。すぐにはシャッターを押さず、5分くらい会話をしてみる。思いを聞く。着ている服や、ヘアとメイクがとても似合っていることを伝える。お名前で呼びかけることも。何気ない会話のなかで自然と笑顔になっている。

その笑顔を撮りたい。

5枚シャッターを切る。会話によってリラックスしたサバイバーは、それまでは普通の方であったが、一流のモデルや俳優のような笑顔と表情を浮かべている。

そうなればもう、この笑顔を多くの人に届けることができる。

資生堂のライフクオリティービューティーセンターのスタッフがメイクをし、資生堂プロフェッショナルのスタッフがヘアを担当。普段と違う表情を引き出すのはヘア・メイクの力も当然ある。

写真の力は、フォトグラファーだけではうみだすことはできない。
被写体の前向きな姿勢、それを引き出すヘアとメイク。そしてその場をつくるために尽力してくれたボランティアの人たち。たくさんの人達が力をあわせてくれたおかげで多くの方に活動の思いが届く写真が撮れたと思う。

サバイバーの方たちと出会い、遠いところにあると思っていた問題が、実はとても近いところにあることだと気付かされた。そういうことは実は世の中にもっともっと存在するのだ。

その気づきをこれからの私自身の写真活動にも取り込んでいきたい。

クリエイターの紹介

金澤正人

フォトグラファー

1988年、株式会社 資生堂に入社。資生堂クリエイティブ本部フォトグラファー。女優やタレントといった人物から商品写真まで、資生堂の広告写真を多数手がけている。(社)日本広告写真家協会会員。
https://masatokanazawa.myportfolio.com/

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