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偏愛!資生堂

第23回 haru. × 花椿

2018.08.10

文・写真/haru.

私が雑誌に興味を持ち始めたのはおそらく小学校5年生の夏休みだった。 家族と旅行に行く前に、家の近くの本屋で中学生向けの雑誌を購入したのを覚えている。 しぼられたターゲット層にぴたっとハマるように集積された情報と、ストーリー仕立てのビジュアル表現にとてもわくわくした。それからというもの私は少ないおこづかいを全て雑誌につぎ込むようになった。女性誌はもちろん男性誌や音楽情報誌まで、リアルタイムで購入できる雑誌はひと通り読んでみた。どうしても読みたい海外誌はオンラインショップから取り寄せた。そんな10代を過ごした私が『花椿』に出会うのも、時間の問題だった。
『花椿』のバックナンバーを手に入れたのはいつ頃だっただろう。ファッションに真摯に向き合いさまざまな角度から考察する姿勢は、ハイアー(『HIGH(er)magazine』)も多いに影響を受けている。インターネットで歴代の表紙の画像を集めることにも夢中になった。家にはハイアーのメンバーからもらった2000年6月号の特別版があるので自慢させてほしい。600号記念(この時点でものすごい歴史)で、サイズも普段のふたまわり以上大きい。これが世に出たときは、私がファッションとアートの関係性を考える上でものすごく影響を受けた『拡張するファッション』の著者、林央子さんがまだ編集部にぎりぎりいらっしゃった頃かぁ、 なんて考えると時間の流れがとてもリアルにはっきりと感じられる。『花椿』の月刊最終号の表紙は 私の尊敬するデザイナー、中里周子さんが携わっている。間近で彼女の活動を見せてもらっていた当時の私は、ただただ興奮していた。月刊最終号という節目にはっきりと歴史を更新した彼女のクリエイションをリアルタイムで見られたのだ。 ああ、なんてわくわくするんだろう。雑誌は私にとって最新の情報を集めるなんてものではなく、 過去と現在そして未来をつなぐ宝箱のようなものなのだ。
ただただ雑誌が好きだった10代の私を、そしてつくる側に立ち続けることを決意した現在の私をも支える「大好き」という気持ちをこれからも大切に制作をしていきたい。

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